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戸建賃貸の収益拡大につなげたい

まず一九九七年三月期には、東京・本店と大阪支店の売却益六百億円を計上、業務利益の一千五百億円とあわせて約二千五百億円の不良債権を処理する。 しかし二期連続の赤字で自己資本が減少し、国際決済銀行(BIS)の自己資本比率規制基準の八%を達成できなくなる恐れがあるため、三月末には優良な貸出債権一?三千億円を大手都市銀行など数行に売却、資産を圧縮し、三月末の自己資本比率の八%を維持する。
N銀の不良債権は一九九六年九月末の発表で破綻先債権二千八百四十四億円延滞債権七千六百五十三億円。 そして一九九八年三月期には、六海外支店・八現地法人の全営業拠点を撤退、系列ノンバンク三社(クラウンリーシング、日本Tファイナンス、N信用ファイナンスサービス)の不良債権処理に着手するというものであった。
しかしこの三社合計の借り入れ額は一兆九千億円に上り、N銀にも三千億円の融資残高があった。 しかしこの三社は四月一日、自己破産を申請するに至る。
負債額はそれぞれ一兆六百億円、五千百億円、三千億円。 損失負担はN銀とほかの融資金融機関が融資残高に応じて負担する比例配分(プロラタ)方式とされた。

合計一兆三千五百五十四億円これに対して引き当ては三千百五十九億円で、引き当て率は一五%であった。 しかし今回決められた再建策に沿って不良債権の大量償却を実施すれば、引き当て率も一九九八年三月期には六○%に上がる見込みとなり、N銀の資産内容は上位都市銀行並みに改善することになるはずであった。
しかしその一方で、大幅な赤字決算で自己資本が目減りする。 自己資本比率を算出する際の基準となる狭義の自己資本額は一九九六年九月末では四千九百七十七億円であったが、一九九七年三月末の決算では狭義の自己資本が急低下する恐れがあった。
そこで打ち出されたのが海外撤退策であった。 海外拠点の資産は一九九六年三月末で約百十五億ドル(約一兆四千億円)あったが、撤退を実施すればその部分の資産が減ることになり、自己資本比率規制の面からもプラスとなる。
加えて、国内だけで活動する銀行になれば、自己資本率も国内基準の計算方法が適用でき、健全な銀行とみなされる。 自己資本が不良債権の処理で目減りしても、余裕をもって国内基準の四%以上は維持できると予測されたのである。
しかし一方で、海外撤退は営業上の支障が出るとの危倶もあった。 N銀は、長期資金の供給銀行という性格上、その取引先には大手企業が多く、また国際化の面で先端的な企業が多かったからである。
そうした危倶を押し切って海外撤退に踏み切ったのは、市場の不信感を除去するには、海外撤退は避けて通れないとするぎりぎりの判断であった。 このN銀の実質的な倒産への流れは、一九九六年十一月二十一日の阪和銀行の解体・生産発表にともなう「市場の反乱」から始っている。
次は「N銀、T銀」との観測が広がり、N銀の金融債の流通利回りは急上昇し、株価は三○○円まで下落した。 利回りの上昇、株安に歯止めがかからないN銀に対する市場の不安は深まる一方であった。
そして九七年一月二十七日、米有力格付け会社のムーディーズが、格付け見通しを「安定的」から「弱含み」に変更。 日本語に訳せば確かに「弱含み」としか訳しようがないが、投資適格では最低のランクである。
N銀の経営不安説は一挙に高まっていった。 二月五日には株価が一七七円まで下落したことを受け、N銀幹部は緊急会見し「当行の実状とかけ離れ、行き過ぎ」と経営不安説を全面否定。
思い切ったリストラ策で乗り切ってみせると大見得を切る。 三塚蔵相も「破綻はあり得ない」とサポートする。
しかし政府当局の間では、N銀の破綻を前提にした議論が出始める。 二月六日に政府当局は、「金融債を含めて預金者を保護する」との公式発表を行なう。

そして二月十一日には日本開発銀行との合併について言及。 この一連の発表は、金融不安を鎮静化させるための発言ではあったが、逆に経営不安説を煽り、市場の混乱に拍車をかけることになった。
月中旬になって市場では、N銀幹部による上位都市銀行に対する資金援助要請の噂が駆け巡るようになる。 その市場の噂は結果として当局をも動かすことになる。
それまでは口先だけの支援にとどめていた大蔵省も、N銀内部の意見分裂のなかで、海外撤退・ノンバンク整理を前提にした再建策の検討に入る。 資金援助の要請先はN銀行であった。
N銀へのトップを含む人材派遣を極秘に要請。 不良債権の大量償却で減る自己資あった。
そしてその再建策発表から一週間余りあと、まさにその発言通り日本の金融界に新時代を回復させるために、N銀行が第三者割り当て増資を引き受けてもらえるかどうかの打診であった。 しかし答えは「ノー」。

その間にも市場では、容赦なく金融債やN銀の株式に売りを浴びせていた。 そして三月二十一日、ムーディーズは予想より早いタイミングでN銀の格付けを引き下げた。
この引き下げを機に大蔵省は資金引き出しなどを懸念、日銀・都市銀行・保険各社による総額三千億円の増資策をまとめる。 この頃からは大蔵省幹部による各銀行への訪問も始る。
負担を強いられる各銀行では、当然ながら反発の声も上がった。 年度内の不良資産の償却を迫られていた各銀行にとっては「それどころではなど。
こうして三月二十六日、N銀の海外撤退の発表、次いで四月一日には再建策が発表されるに至るのである。 そして一日の再建策の発表の席上、N銀の幹部から、具体的な話ではないとの前提のもとで、それまでの日本国内の合併のようなパターンではなく、外国銀行との合併の可能性を示唆し、しかも外国人の頭取の可能性すらもほのめかされたので@N銀は海外拠点から全面撤退するが、それにともないN銀の企業の海外子会社向けの貸出し斡旋、海外起債の引き受け、M&Aの仲介、海外進出のアドバイスなどの国際業務をバンカースの欧米・アジアの営業基盤を使い全面的に補充するN銀がバンカース・トラストとの業務・資本提携を発表するのは四月九日、そして四月二十五日には「業務提携に関する基本合意書」が調印される。
海外からの撤退を決定したN銀が、国際業務をバンカースに全面委託し、不動産の証券化など証券化ビジネスを共同で進めるのを柱とされ、日米銀行としては初めての、相互株式持ち合いを六月に実施することも目玉として発表された。 発表された業務提携の主たる要点は次の通り。
を告げる、劇的なバンカース・トラストとN銀の資本提携が発表される。 A日本国内で継続する外国為替や外貨のデリバティブ業務でも協力し、バンカースのハイテク技術を導入するB自行分を含めた邦銀の債権流動化を中心とした証券ビジネスについても関係を強化する米国の金融界には、日本版ビッグバンの概要が発表された時点から、「日本で提供されている金融サービスは個人向けも企業向けもなお未熟であり、潜在的な市場としては魅力的である」として、ビッグバン実施を期に、日本市場での収益を得る機会が広がるとの見N銀は証券子会社がないため、自行債権を流動化しても日本国内で販売ができないうえ、日本国内の規制で株式がからむ証券化も不可能であったが、バンカースとの提携でこうした分野への進出も可能になり、業務範囲が広がる。

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